地域教育文化学部で開講されている「芸術アウトリーチ基礎」では毎年、病院や幼稚園、自然の家などの施設を訪問して演奏会やオペレッタ公演などの音楽活動を行い、地域の方々と交流しています。
今回はアウトリーチの第4弾として、令和4年12月10日にデイサポートセンターじゃんぷの皆さんとzoomにて交流会を行いました。
今回のアウトリーチでは、新型コロナウイルスの影響により、対面での演奏会を開催することが困難であることから、じゃんぷの皆さんからリクエストしていただいた曲を私たちが様々な編成で演奏し、その様子を録画した映像を見ていただく、という形で交流会を行いました。
合奏による「ドラゴンクエストメドレー」 全員合唱による「優しいあの子」
トロンボーン、ドラム、ピアノによる「虹の彼方へ」 連弾による「情熱大陸」
交流会では、じゃんぷのみなさんより、「かっこよかった!」「歌声が綺麗だった!」「次はぜひ生で聞きたい!」などの感想をいただき、私たちの演奏を楽しんでいただけたようでした。私たちからも一人ずつ今回の感想をお伝えし、「音楽をやっていてよかった!」「音楽の持つ力は素晴らしい!」「音楽で交流できたことが嬉しい!」と感じたメンバーが多かったように思います。
音楽を学ぶ私たちにとって、音楽によって人々を楽しませることができること、笑顔にできること、癒してあげられることは何よりの幸せです。今回のアウトリーチはメンバー全員がそれを実感することができた最高の機会となりました。
じゃんぷの皆さん、本当にありがとうございました!
またいつの日か、皆さんと音楽で交流できる日を楽しみにしています!
文化創生コース2年 伊藤 隆文
2022(令和4)年12月18日(日)に山形大学小白川キャンパスを会場にして、第10回やまがた教員養成シンポジウムを開催しました。
このシンポジウムは、大学院教育実践研究科と地域教育文化学部、東北文教大学、公益財団法人やまがた教育振興財団が主催し、山形県教育委員会の後援をえて、開催したものです。
当日は、61名の参加(対面23名、オンライン38名)がありました。 本シンポジウムのテーマは、「世代交代がすすむ山形県、これからの教員の研修と養成をどうすすめるか」でした。
現在、山形県では、新規採用者については、教員志願倍率が低下する一方、大量採用されている20代後半から30代前半の教員層の力をどうつけるかが課題となっています。また、40代からの教員層がうすく、今後の学校経営を担う人材の養成についても大きな課題となっています。こうした問題状況は、山形県だけではなく、全国的に共通するものと考えられます。そこで、本シンポジウムでは、これからの教員の研修と養成の在り方について、大学、学校、行政、そのほかの皆さんと広く意見を交換したいと考えました。
最初にお二人の先生からご講演をいただきました。
はじめに、福井大学の理事・副学長の松木健一氏です。氏は、臨時委員として参加されている中央教育審議会での議論を紹介しながら、教員養成から教師教育へという展望とそれを担う大学教員のコミュニティについて話をされました(オンライン参加)。
次に、福井大学連合教職大学院の森田史生氏です。氏は、これまで、教員として、あるいは福井県教育総合研究所の研修課長として教職大学院に関わり、現在は、教職大学院の実務家教員としてお勤めです。福井県における学校と行政、大学の連携の実際とそこでの学校や教職員の変容について話をされました。 質疑応答と討論では、活発な質問と講演されたお二人の応答がありました。
・学校改善における校長のリーダーシップと同僚性の構築については、中央教育審議会で管理職の資質・能力が議論になっている点や福井県における校長のスクールプラン(学校経営方針)を教職員が協働で読み解く取り組みが紹介されました。
・学部段階から、教職大学院の「理論と実践の往還」を位置づける今後の体制整備については、学部4年間を、教員になるための準備教育ではなく、生涯にわたる教師としての職能成長の一部として位置づける点が示されました。(その意味で、「理論」は実践者の外側にあるのではなく、実践者の内側にあって素朴なものから精緻なものへ洗練されていくものだと強調されました)。
このほか、教員の世代間を越えたクロス・セッションや学校改善におけるカンファレンスの方法への質疑応答もありました。
シンポジウムの事後アンケートでは、次のような声がよせられています。
・行政の研修も校内研修もパッチワーク型というお話には、反省しつつ納得しました。校内研修を、1年間あるいは数年を見越してデザインしていくこと、教員個々と面談しながらいかにその個性が生かされるよう助言していくか、校長としての役割は重いですね。
・何より、現在の研修スタイルは何十年も経過している。校内授業研においても、さらに指導主事の指導も何十年も同じことをやっている。違う目線で教育事務所の学校や教員への指導を考えていきたいと考えているのだが。
・研修には研修を主体的に受けとめる教員の姿勢はもちろんですが、それを支える学校組織のあり方や、研修の普及をどのようにすすめていくかが大切だと考えます。大学院での学びをどのように職場に活かすのか、個人のもので終わらせないためにはどのようにすればよいのか、ヒントをいただけたように思います。
・場違いなところにきてしまったかと思いました。しかし、これからの教員研修は、大学、附属学校、県教委等が垣根を越えて連携していくことが大切になることを実感し、大変勉強になりました。時間も資源も人材も限られているので、各組織の強みを出すことができる連携を考えていきたいと思いました。
コメントには、参加者それぞれの立ち位置から、これからの教員の研修と成長について考えを巡らせている様子が述べられていました。本シンポジウムは、今後の山形県における教員の研修と養成を考えて行く第一歩になったと考えています。 (江間史明・宮舘新吾)
「大学レベルの学問」を楽しく学び、社会で活躍するための知識や考え方を身につけることを目的とした社会人向けのオリジナル講座「エクステンションぷらす」を開講します。
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地域教育文化学部文化創生コース美術系研究室に所属する4年生9名が、「卒業研究作品展2023」を山形美術館で開催いたします。
本展覧会では、卒業研究として制作した作品約56点を展示します。絵画や彫刻に加え、反古紙(書き損じなどで不要になった紙)を使ったコラージュ作品やジオラマ、声をテーマにした作品など、様々なタイプの作品が並びます。また2月4日(土)には、作者が皆様に作品の見どころや制作意図などをお話するギャラリートークも開催いたします。
ご来場の皆様が少しでも喜びやおもしろさを感じていただける展覧会となるよう、全員が一丸となって準備を進めてまいりました。私たちが自身の表現したいことと向き合った成果を、どうぞご覧ください。
【開催情報】
日時:2023年2月1日(水)~ 2月5日(日)10:00~17:00(最終日のみ15:00まで)
ギャラリートーク2月4日(土)13:30~
場所:山形美術館 第3展示室東側
入場無料
Twitter:yamadai_sotuten
Instagram:yamadai_sotuten
お問い合わせ:sotuten2023@gmail.com
《ふうとう》秋本菜緒佳 クス,木工用接着剤 《朝食の匂いに誘われて》石澤智子 水彩,色鉛筆,水彩紙,パネル
20×210×240mm 2022年 258×365mm 2021-2022年
令和4年度の優秀教育者賞の受賞者が決定し、中西学部長から森田准教授へ
表彰状と副賞が手渡されました。
森田准教授は、2012年に着任以来、「学び」をテーマに教育・研究に尽⼒されています。⼤学院教育実践研究科の授業の他、地域教育⽂化学部の中⼼科⽬「教育原論」においては、学⽣主体の課題解決型授業を実践おり、⾮常に⾼い評価を得ています。
また、コロナ禍においては、いち早く双⽅向型とオンデマンドを組み合わせた授業⽅法を導⼊し、対⾯型の授業と同様の⾼い評価を得ています。
2020年度には、教育実践研究科と地域教育⽂化学部で開催した授業改善懇談会の講師として、⾃⾝の授業実践例を基に、教授⽅法や授業運営の⼯夫と改善⽅法についてアドバイスされました。また、教職の魅⼒創造プロジェクトとして2016年度より「学びのフォーラム」を企画・開催されており、本学学⽣、⾼校⽣、現職教員が参加し、協同・協調学習を通して、⾼校⽣の教職への関⼼の向上、⼤学⽣の教職志願意欲の持続と向上に貢献されています。
これらの取り組みにより⾼い評価を得たことから、選考の結果、優秀教育者賞に相応しいと判断されました。
中西学部長(左)と森田准教授(右)