2025年5月25日(日)から5月30日(金)まで、千葉・幕張メッセにて「日本惑星科学連合大会(JpGU 2025)」が開催されました。JpGUは、毎年5月に開催される、日本最大の地球惑星科学分野における国際学術会議であり、国内外から多数の研究者を始め、政府機関関係者、大学生や高校生、教育関係者、報道などが参加しました。大会では、口頭およびポスターによる研究発表が行われ、岩石や鉱物学、地質学、気象学、海洋学、宇宙科学など、多岐にわたる分野の最新の研究成果が発表されました。また、大学や研究機関による学術展示や一般向け企画も実施され、専門家同士の議論にとどまらず、学生の教育、分野間の連携、そして若手研究者の育成にも寄与する国際会議となりました。
▲ JpGU 2025の様子。会場内はとても混雑している。
▲ JpGU発表の様子。(a): 三浦さんの発表の様子; (b):森さん(理工学研究科)の発表の様子(竹林研共同研究); (d): 大友名誉教授の発表; (d): 小川さん(理工学研究科)の発表の様子(竹林研共同研究); (e): 三浦さんと研究指導教官の竹林先生; (f): 右から森さん、小川さん、竹林先生(共同研究)。
日本惑星科学連合大会(JpGU)公式WEBサイト
山形大学 理工学研究科 公式WEBサイト
https://www.sci.yamagata-u.ac.jp/
【研 究 報 告】
5月9日(金)放送の「NHK NEWS 山形」の中で、児童教育コースの特別教育プログラムの取り組みが取り上げられました。特別教育プログラムは、教員のなり手不足を改善し、山形県の教育課題に対応できる教員を育成するために今年度より新設されたプログラムです。現在10名の学生が、山形県内の小学校の教員を目指し、教育の理論を学ぶとともに実践力を高めています。こちらから、番組で紹介された特別教育プログラムの必修授業「地域教育実践演習I」での学生たちの学びの様子がご覧頂けます。(授業の様子は動画の5分過ぎからです。)
2025年3月16日(日)に山形大学小白川キャンパスで2025年4月スタートの山形県小学校教員希望枠入試による入学者向け特別プログラムを一足先に体験する特別教育プログラム プレ体験イベントを実施しました。
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開会式では、中西正樹地域教育文化学部長と加藤淳一山形県教育局教育次長からの挨拶の後、特別教育プログラムの概要を説明しました。その後、3会場に分かれて、模擬授業1:「ファシリテーションで未来の学びを考えよう!」、模擬授業2:「デジタル×アートで広がる図工・美術の可能性」、高校生・保護者・一般向けセッション:「子どものチャレンジを応援!山形県が求める教員像と山形大学での教員養成」を実施した後、再びメイン会場に集まってクロストークセッション「未来の山形の教育について語ろう!」を実施しました。
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クロストークセッションでは、参加した高校生から「先生という仕事をいいなと思っていて、でも大変そうなので悩んでいましたが、自分だけで頑張るのではなく、周りに頼ればよいという話を聞いたので、やっぱり目指してみようかなと背中を押してもらえる機会になりました」という感想が聞かれ、来賓として参加されていた山形県教育局や学校関係者の方々とともに主催者側もエンパワーされるイベントとなりました。
参加者アンケートからは「教員になりたいと思っていた志がさらに強くなったと思いました。今回参加してよかったと思いました。」、「ファシリテーターがすごく面白かったです!今後の学校生活でも意識したいと思いました。」、「教師という立場は子供の成長に大きくかかわることで自分がなれるか、なっていいのか不安に思っていましたが、実際に教師を経験している方々からお話をきき、教師でも普通に失敗をするのだときいて、教師像を変えることができました。より強く教師になりたいと思いました。」といった声が聞かれました。
3月30日(日)、小白川キャンパス文化ホールにて《春爛漫 ~春よ来い、春が来た~ 音楽芸術プログラムによるコンサート》を開催しました。
大学院社会文化創造研究科音楽芸術プログラムではこれまで、学生の地元で行う「ふるさとコンサート」や、山形県内外の学校で行う「山っこコンサート」などを通して、地域の方々と音楽で繋がる活動を行ってきました。
オープニング「春よ、来い」演奏の様子
本演奏会は、春の訪れを感じられるものにしたいという思いから企画し、プログラムを構成しました。冒頭は松任谷由実の「春よ、来い」をピアノ10手連弾で演奏し、声楽独唱による「さくら横ちょう」など春にまつわる曲を中心に、学生の日々の学びを披露しました。
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演奏の様子 声楽独唱・ピアノ独奏を披露しました。
最後は「春が来た」を会場のみなさんと合唱し、会場は温かい雰囲気に包まれました。みなさまに春の息吹をお届けできたと感じております。
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「春が来た」演奏の様子 |
終演後に写真撮影 |
今回ご来場いただいた100名を超える地域の方々と音楽を共有できたこと、出演者一同嬉しく感じています。この貴重な経験を活かして、これからも地域の方々に演奏を届けられるよう頑張ります。
(社会文化創造研究科1年 渋江穂香)
2025年3月19日(水)18時から、本学部名誉教授の大友幸子先生が、「大学コンソーシアムやまがた・やまがた夜話(やわ)」にて招待講義を行いました。大友先生は地質学がご専門で、NHKの『ブラタモリ』でも山形県の地質解説を担当されています。講義は山形大学理学部ふすまホールとオンラインで開催され、65人(会場:35人)の市民や地域教育文化学部・理学部の教員と大学生・大学院生が聴講しました。
▲ 大友幸子名誉教授による市民向け講義の様子。会場内は多くの人々が集まりました。
今回のイベントのスローガンは「日本列島はすごい~山形もすごい」で、大友先生は「山形でいつも見ている景色も実はすごい―大地の歴史を語る―」と題し、山形県の地質とそれに関連する文化や歴史についてお話しされました。
大友先生の講義によると、私たちの暮らす山形県には、中生代から新生代にかけて日本海の拡大とともに形成された浅海時代の地層や火山活動の痕跡が残っています。たとえば、海の時代の泥岩や有孔虫化石、火山の時代の凝灰岩や安山岩など、多様な岩石を山形に分布しています。そのとき生成された岩石は、現在の私たちの暮らしにも密接に関わっているそうです。
▲ 講義のタイトル画面。山形県の多くの建物には地域の石材が使われている。スライド写真は大友先生が撮影した山形県郷土館「文翔館」。
講義後は多くの市民や学生が大友先生を囲み、山形県の地質の魅力について熱心に質問する姿が見られました。参加した学生に感想を尋ねると、新しい発見があった意見や大学での研究に役立ちそうな意見が挙がり、学術的に有意義な講義となりました。また、地域教育文化学部の竹林知大先生は「山形県にはプレート運動によるダイナミックな地形変化が各地に残っていて驚いた。いつか学生と一緒に観察に行きたい」と感想を述べられました。
山形県には、海から火山にかけての空間的な広がりと、白亜紀から現代に至る時間的な壮大さが刻まれています。美しい景色を眺めながら、その土地に秘められた地球規模の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
▲ 左写真:山寺の地質について紹介する大友先生。右写真:講義終了後の学生からの質問の様子。
本記事の写真撮影:竹林知大先生(山形大学地域教育文化学部 地球科学)
主催:大学コンソーシアムやまがた (https://consortium-yamagata.jp/)
山形大学開催のチラシ :https://consortium-yamagata.jp/?p=7756
開催記事(ゆうキャンパス):https://consortium-yamagata.jp/?p=7857