お知らせ

2024-01-26 11:17:00

 令和5年度「第6回学びのフォーラム」を123日、9日、17日に開催しました。(主催:大学院教育実践研究科・地域教育文化学部、後援:山形県教育委員会)。

 今回のフォーラムでは、これまでに引き続き、「学ぶとはどういうことか」を主題に、高校生・大学生・社会人 の合同でゼミナールを行いました。平成 27 年度から、高校生と大学生を対象とした合同ゼミナールを始めて、 今回9回目になります。今年度は合計115名(高校生44人、大学生24人、社会人47人)の方に参加していただきました。参加した高校は、次の11校でした。東桜学館高校、寒河江高校、山形東高校、山形西高校、山形北高校、長井高校、南陽高校、米沢中央高校、札幌日本大学高校、聖ヨゼフ高校、佐賀清和高校です。一般参加者の中にも、福島、宮城をはじめ、大阪府等、県外からも多くの方々に参加していただきました。

 3回目1217日(日)には、テキストの著者である佐伯胖氏(東京大名誉教授)をお呼びして、テキスト第3章「『遊ぶ』ということの意味」の節を読み、「学び」と「遊び」の関係について考えました。
 今回話題になったことの一つに、遊びの自発性があります。遊びとは自発的なのか。それぞれのグループで、夢中になった遊びの経験を具体的にたどってみると、遊ぶという経験は自発的とは言い切れない過程があったことが見えてきました。佐伯氏からは、幼稚園の子どもが遊びの中で使う「いいこと思いついちゃった」という言葉のおもしろさを紹介していただきました。その活動に参加している中で、思いついてしまうことが遊びという活動を展開している。この展開を説明するには「中動態」の語り口が必要であることが提起されました。「中動態」は「能動態」でも「受動態」でもない、私たちが日常的に使っている語り口です。「見る」「見られる」ではなく、「見えてくる」。「する」「される」とは違う「してしまう」世界に注目する魅力があります。「勉強」は「する」「させる」世界ではなく、「勉強になる」もの。
 高校生からは、「遊び」の重要性は分かりつつも、普段の学校生活ではなかなか難しい、どうしたらいいか、という率直な悩みも投げかけられました。佐伯氏からは、J.デューイが、著書 How We Think の中で、遊び心 playful と真剣さ seriousness は同時に成立しうるだけでなく、それが最も理想的な状態であると述べていることも合わせて紹介されました。

 やりとりの中で、本フォーラムの中でつくられた方程式も共有されました。佐伯氏の著書には、「勉強=学び―遊び」という方程式が出てきます。この方程式は現代社会における学び、遊びに対する批判としては成立していても、高校生の学校生活にとっては何ができるか探るには難しいものがあります。その中で見つけ出したのが、移項するという考え方です。「学び=勉強+遊び」。私たち一人ひとりが、真面目心と遊び心を同時に追求することが、よりよく学ぶ一歩になる可能性がある。

 それぞれどのような工夫ができたのか。来年度またフォーラムでお会いしましょう。

 

以下、参加者の感想の一部を紹介します。

【高校生】

・遊び心とまじめ心が同時に併存するんだという新たな発見がありました。「勉強」、「学び」、「遊び」はそれぞれ、まったくの別物だと思っていましたが、その3つがあって、それぞれが成り立つのかなと思いました。今日気づけたことを将来に生かせるように、自分の希望する職業に就けるようこれからの勉強を頑張っていきたいです。とても充実した時間でした。
・教育について生徒の立場から考えることができて面白かったです。現職の先生が思っていることも伝えていただいて、普段ではありえない不思議な関係で、本音で話せて、これから生徒としてはどうしていこうかとも考えられて楽しかったです。ありがとうございました。
・「遊ぶ」ということを深く考えることはなかったし、それを様々な立場の人と意見を交わすことができていい経験になりました。どうしても教師になりたい!という背景には「教える」という概念がついてしまい、どうしたら人に伝わるかなどを実生活で考えてしまいますが、〇〇させるという使役動詞は使うべきではないのかなと感じました。また、学びの背景には遊びが、遊びの背景には学びがあるべきなのに、気づいたら高校では勉強することが中心になっていて、いつからそうなったんだろうとも考えさせられました。大学生の方や教師の方と話して、自分とあまり歳が変わらないのに、考え方や言葉がすごくて、自分も頑張りたいというモチベーションになりました。ありがとうございました。 

【大学生】

・現職の先生方とも、教師として子どもと接している中でのエピソードも交えながらお話を伺えたのが非常によかったです。「遊び」や「学び」については、私の中で答えを見つけられませんでした。遊びも、学びを進める上では大切で、遊び心とまじめ心を行ったり来たりすることで学びがどんどん深まっていくのかなというイメージが湧きました。授業においても子どもが遊び心を抱きながら夢中になって取り組んでいくことは理想的だと感じつつも、非常に難しいと思いました。「遊び」の観点からも、授業のあり方や教師のあり方について、もっと考えていきたいです。

【社会人】

・とてもエネルギーをもらった時間でした。教員1年目ということで毎日生きることに精いっぱいで大学院の時に学んだことを忘れていっている感覚がありました。こうやって佐伯先生の本を読んで語り合うことを通して、大切なことを思い出すことができました。今日いただいたパワーをつかって明日から仕事がんばります。
・教師の役割を考えさせられた時間でした。教えなくても子どもたちは自分たちで学び合っていく。そんな姿を求めて私自身も楽しみながら追究していきたいと思います。振り返ると、子どもたちが「今日の授業おもしろかった!深かった!もっと自分でやりたい!」と言い出すときは、互いの発言や姿から授業が進んでいる時だとやはり思います。高校生の話からも仲間とつながって学んでいる時が楽しいという話がありました。そんな生徒の姿を目指していきます。ありがとうございました。
・「教師」をおもしろがってやることを目指します。教員不足を解消するためには、働き方や給料を改善することが今まで一番大切だとおもっていましたが、「教師の魅力」をいろんな人に伝えていく、そして、私たち教師が魅力ある人物になっていくようにしたいと思います。

 

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2024-01-17 10:00:00

本学部で開講されている「芸術アウトリーチ基礎」。前回の附属幼稚園にて行われたオペレッタ「山の音楽家」に続き、最終回は129日(土)に山形大学文化ホールにて、みなさんにリクエストをいただいた曲でコンサートを行いました。

 最初に全員で、水戸黄門のテーマ「ああ人生に涙あり」を演奏し幕を開けました。声楽ソロによる、あいみょんの「愛の花」、トロンボーンソロで秋川雅史の「千の風になって」やクラリネットソロでback numberの「アイラブユー」などを演奏しました。原曲とはまた違う雰囲気の音楽を楽しんでいただけたのではないかと思います。

 
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全員で水戸黄門を演奏してオープニング

ボーカルとピアノでスピッツの「スカーレット」、ピアノソロでYUIの「グロリア」、オーボエとピアノできゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」やアンサンブルで「ゆずメドレー」を演奏しました。口ずさみながら聴いていただき、会場にいる全員で一緒に楽しむことができました。

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アンサンブルで「ゆずメドレー」演奏

最後は、「若人の歌」「フレア」の2曲を合唱しました。リズムに乗って楽しそうに聴いてくださり、出演者一同本当に楽しく歌わせていただきました。

アンコールのお声かけもしていただき、会場にいる全員でSMAPの「世界に一つだけの花」を合唱しました。体を揺らしながら歌ってくださったり、踊りながら歌ってくださったりと、とても楽しく音楽で触れ合うことができました。

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お客さんも一緒に全員で合唱

最後に、コロナ禍が開け、久しぶりに対面の形で演奏会ができたこと、心から喜びを感じております。なかなか演奏の感想を直接いただく機会がない中で、たくさんの嬉しい言葉をいただき、これからの励みになりました。演奏を聴いてくださった皆様、ここまでたくさんの準備をしていただいた関係者の皆様、本当にありがとうございました。今回、ありがたく頂戴したお言葉を大切に、これからもより良い音楽をつくり上げていけるよう、日々努力してまいります。

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終演後に全員で♪

そして、4公演を通して、たくさんの皆様に感謝申し上げます。

2023-12-07 14:38:00

1129日(水)午後に小白川キャンパス炊き出し活動を開催しました。これは今年度から新規開講したフィールドプロジェクトE5まちづくりと防災の授業(担当教員:小酒井貴晴、熊谷誠、石垣和恵)の学習成果発表の第二段です。事前参加申込約30名、当日参加者が40名を超え、受講学生17名を合わせて100食余りの芋煮汁を振舞うことができました。多くの方々のご理解、ご支援を得て盛会に終えることができました。

 今回の炊き出し活動は、受講生に加えて、本学で学ぶ短期・長期の外国人留学生と共に芋煮汁の炊き出し調理や試食を地域住民と交流しながら行うことで、留学生の日本における災害と災害時の生活についての理解をはかり防災意識を高めてもらうこと、本学小白川キャンパス内避難所開設を想定した炊き出し訓練を行うことで、本学学生の被災時ボランティア活動への理解を促進することをねらいとして企画しました。

 留学生の皆さんから参加していただけるように、やさしい日本語版チラシ、中国語版、韓国語版、英語版の芋煮レシピ、やさしい日本語版の防災リーフレットを作成して、本学日本語教育担当の先生方と留学支援担当から広報をしていただいたおかげで、たくさんの留学生からご参加いただけました。被災時の避難所では多様な人々が一緒に生活することになることを想定し、牛肉を使った村山風芋煮汁は宗教上の理由で食べられない方のため、ハラル認証鶏肉と醤油を使った芋煮も用意しました。また、9月の自治会避難訓練などで協力関係にあった小白川町二区南自治会の役員の皆様や、学部を超えた一般学生、教職員からも大勢参加いただきました。

設備は、小白川キャンパス所有の炊き出しカマド一式をお借りし、設営には施設担当職員のご協力をいただきました。ご支援、ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

 ①炊き出しカマド2台運転                ②テント内で調理開始
①炊き出しカマド2台運転.JPG ②テント内で調理開始.JPG
③村山風芋煮汁(牛肉)                  ④アルファ化米(50食入り)山形市から提供
③村山風芋煮汁(牛肉).JPG ④アルファ化米(50食入り)山形市から提供.JPG
 
 ⑤地域の人も一緒に試食                外国語版芋煮レシピ
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 ⑦留学生向け案内チラシ                留学生向け防災ハンドブック
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(文責 石垣和恵)
 
2023-12-01 13:37:00

 児童教育コースで特別支援学校教諭免許状の取得を目指す学生が山形県立山形聾学校の子ども達と一緒に作品制作の交流学習を行いました。子ども達と一緒に制作できる様々な作品を学生が考え,材料を準備し,ワークショップ形式で実施しました。活動は全部で4回,聾学校の教室をお借りしました。活動には,幼稚部から専攻科まで多くの在校生が参加してくださり,作品制作を通した交流を楽しむことができました。

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①ビーズアクセサリーの制作場面              ②アルコールアートの制作場面 

制作した作品の一部は,1021日,22日に実施された八峰祭にて学生が販売し,来てくださった方々に今回の交流活動について紹介をしました。とても多くの方々に興味を持っていただくことができました。

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③八峰祭の当日の様子                   ④活動の様子も紹介しました

 

児童教育コースでは,将来教員になるにあたって必要な資質・能力を身に付けるために,「社会に生かせる知識の育成」を重視しています。今後も,地域の様々な特別支援学校生との交流活動を積極的に展開していきたいと考えています。
本活動にご興味のある特別支援学校は,担当教員(地域教育文化学部児童教育コース 准教授 池田彩乃 aikeda@e.yamagata-u.ac.jp)までお問い合わせください。
※この活動は,公益財団法人やまがた教育振興財団令和5年度「教員養成に関する調査研究事業」の助成を受けて実施されました。
2023-12-01 10:30:00

 本学部で開講されている「芸術アウトリーチ基礎」。前回の、山形市少年自然の家にて行われた演奏会『森のコンサート』に続き、第3弾の今回は、1113()に山形大学附属幼稚園にて、オペレッタ『山の音楽家』を公演しました。

ある日、お母さんが仕事に出掛けていてお庭で一人で遊んでいたゆみちゃんは、犬の茶々丸と出会い「動物の世界」へと迷い込みました。

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茶々丸との出会い
 
 山の音楽家である、たくさんの動物たちは「動物の世界」へやってきたゆみちゃんを歓迎し、来てくれたお礼に音楽をプレゼントします。ピアノとフルート、ヴァイオリン、打楽器を用いて華やかな演奏を披露しました。
「動物の世界」を楽しんだゆみちゃんを「人間の世界」に返すためには、心を込めて演奏することが必要でした。そこで、山の音楽家と園児の皆さんが力を合わせ、心を込めて「ドレミの歌」を演奏しました。
そうしてゆみちゃんは、無事人間の世界に帰ることができたのです。
 
本公演は、既存の童謡《山の音楽家》をもとにオリジナルなシナリオを考え、脚本から演出まで学生が手掛けています。
創作した物語を、歌や演技を通してうまく表現し、まるで園児の皆さんも山の音楽家の一員になれたかのような、夢のある楽しい舞台を創ることができました。
 
 山の音楽家による演奏の様子

 

 劇中では、園児の皆さんと一緒にボディーパーカッションを演奏しました。初めて見る動きをどのようにすれば分かりやすく、楽しめる演出になるのかと不安もありましたが、履修者全員で試行錯誤しながら、練習を積んできました。公演後には、「おどり楽しかった」「ドレミの歌が好きになった」と園児の皆さんから嬉しいお言葉をいただき、心から大きな喜びを感じております。
今後もより良い公演をお届けできるよう、学生一同励んでまいります。
山形大学附属幼稚園の先生方、園児の皆さん本当にありがとうございました。

文化創生コース 本多愛 

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